FXの売買の仕組みを覚え、MT4の注文方法をマスターしましょう!
FXをやっているとスプレッドやレバレッジ、pipという用語がたくさん出てきます。これらは全て売買注文に関係するため、初めから覚えておくのが良いです。
今回は初心者向けに「FXする上で最低限知っておきたい売買の仕組みと実際の注文方法」について分かりやすくまとめています。
MT4の使い方については別記事でまとめていますので参考に↓↓
スプレッドの意味は?
通貨ペアには様々なものがあります。代表的なものはUSD/JPY、EUR/USD、GBP/USDなどです。JPYは日本の通貨「円」を意味します。USD/JPY、GBP/JPYは円絡みの通貨でクロス円といいます。逆に円を含まない通貨ペア、GBP/USD、AUD/CHFなどはクロス通貨といいます。
USD/JPYをみてください。
Bid(売り)は111.485、Ask(買い)は111.561のレートになっています。その差が0.076円あります。
このように買いと売りの価格差をスプレッドといいます。
買ってすぐに売る、もしくは売ってすぐに買い戻すと0.076円の損失になります。つまりFXの取引はスタート時点でマイナスからのスタートになります。スプレッドはFX業者の手数料と考えてもらえればよいでしょう。
では、この通貨ペアとは一体何を表しているのでしょうか?
答えはお互いの価値を表しています。ドル円=120円なら1ドルに対する円の価値は120円。円高で118円になればドルに対する円の価値が上がります。逆に円安で122円になればドルに対する円の価値は下がるわけです。
この価値の増減を狙って取引するのがFXというわけです!
レバレッジとは何か?
レバレッジはテコの原理をイメージすると分かりやすいです。テコだと軽いモノで重いモノを持ち上げる事ができます。軽いモノ=自分の資金、重いモノ=取引量と考えてください。
レバレッジ25倍のテコと888倍のテコでは取引できる金額がまるで違います!
レバレッジが大きければ大きいほど小さなお金で大きなトレードができるようになります。
国内FX業者ではレバレッジ25倍が限界です。これは国内におけるレバレッジ規制によるものですが、海外にはこのような規制がないため、100倍以上のレバレッジは当たり前です。
ハイレバレッジだと利益が大きくなると同時に損失も大きくなるため、トレードがハイリスク・ハイリターンになります。
ドル円100円 資金10万円 1Lot=100,000通貨として下表で比較すると…
レバレッジ | 最大Lot数 | 1pipの損益 |
25倍 | 0.25 | ±250円 |
500倍 | 5 | ±5,000円 |
ドル円で1pipとは0.01円です。つまり価格が0.01円変動するだけでレバレッジ500倍の場合は5,000円の金額が増減することになります。
トレードは精神状態が重要です。レバレッジが高すぎると余裕を持ったトレードができなくなる恐れがあります。FX経験の浅い方は最初は低レバレッジから始める事をオススメします。
因みに有名な海外FX業者のレバレッジは以下の通り。3,000倍には驚きですΣ(oдΟ;)
海外FX業者 | レバレッジ |
XM Trading | 888倍 |
Titan FX | 500倍 |
AXIORY | 400倍 |
FBS | 3,000倍 |
ロスカットとは強制決済の事
FXには強制決済するシステムがあります。
これはトレーダーの資金を守るための措置で、損失がある一定のラインを超えたら強制的に決済するシステムです。
これをロスカットといいます。
FX会社によってロスカットラインが決まっており、証拠金維持率=ロスカットラインとしているのが一般的です。例えばXMの場合は20%、Land-FXの場合は30%に設定されています。
ややこしいので順を追って説明します!
取引するために入金した資金を証拠金といいます。
実際に取引するには必要証拠金が必要になってきます。これは通貨ペアやLot(通貨数)、レバレッジによって異なります。
必要証拠金 = 通貨ペアのレート(円換算)× Lot(通貨数)÷ レバレッジ
取引をして損益が発生します。この損益と証拠金を合わせたものが有効証拠金です。
有効証拠金 = 証拠金 + 損益
この有効証拠金を必要証拠金で割ってパーセントで表したものが証拠金維持率です。
証拠金維持率 = 有効証拠金 ÷ 必要証拠金 × 100
また有効証拠金から必要証拠金を引いたものが余剰証拠金です。これが余っていれば現在持っているポジションとは別に新規にポジションを持てます。マイナスなら新規ポジションは持てません。
余剰証拠金 = 有効証拠金 – 必要証拠金
あーだこーだと説明しましたが、こんな計算式を覚えなくても取引画面に証拠金維持率は表示されますので心配無用です。(ただしロスカットラインには気を付けましょう!)
pips(ピップス)やポイントとは値幅の事!
FXでは値動きをpipsを使って表すことが多い。0.01円の動きは1銭ですし、0.01ドルの動きは1セントです。これは分かりやすいと思います。しかし、AUD/CHFで0.01円の動きにあたる読みは?と聞かれても分かりません。
そこでpips(ピップス)という単位を使います!
これを使えば円やドル、銭、セント、ポンドなど各通貨の単位を意識せずに値動きを表現できます。利益、損失の時もpipsで簡単に表せます!
では各通貨ごとの1pip分の動きは?
FX業者によって異なりますが、一般的にはクロス円なら0.01円の値動きが1pips、クロス通貨なら0.0001の値動きが1pipsとなります。
ユーロ円 133.250 → 133.370 なら 120pips
ユーロドル 1.13455 → 1.13788 なら 330pips
といった具合ですね。
業者によっては新たにポイントという単位が使われています。pipsではなくポイントです!!
これはなぜかというとFX業者のレート表示が昔と異なっているからです。
以前は
クロス円 → 小数点2位まで表示
クロス通貨 → 小数点4位まで表示
これが一般的でした。これならレートの最小値=pipsと合致するので何も問題ありません。
しかし、現在では上図のようにクロス円は小数点3位までクロス通貨は小数点5位まで表示するのが主流となっています!!
pipsでは最後の少数の位が表現できません!
上の例だと売値の5と買値の1はpipsで表現できませんね?(無理やり表現すると0.1pips)
そこで小数点を3桁/5桁に対応するたポイントが最小単位として使われるようになりました。
クロス円なら0.001の動きが1ポイント、クロス通貨なら0.00001の動きが1ポイントといった具合です。
通貨ペア | 2/4桁表示 | 3/5桁表示 |
ドル円(USD/JPY) | 1pip = 0.01円 | 1pip = 0.01円 |
1ポイント = 0.01円 | 1ポイント = 0.001円 | |
ポンドドル(GBP/USD) | 1pip = 0.0001ドル | 1pip = 0.0001ドル |
1pip = 0.0001ドル | 1pip = 0.00001ドル |
今となっては3/5桁業者が当たり前なので値動きの最小単位がポイントで1桁位があがったものがpipと覚えておけば問題ないでしょう。
ポイントが分かれば損益の計算も簡単にできます!
1Lot = 100,000通貨の口座においてクロス円なら
と計算できます。
例えばドル円をトレードして800ポイント獲得、その時のLot数は0.1(10,000通貨)とすると
また、ユーロドルをトレードして700ポイント獲得でLot数は0.5(50,000通貨) 決済時のユーロ円のレートが1ユーロ = 133円とすると
と計算できます。
FXの買い・売りとは?
取引する際には必ず買いか売りのどちらかで注文します。
「USD/JPYを買う」とは「JPYを売ってUSDを買う事」を意味します。
例えばUSD/JPYを100円で買って102円で売れば2円の利益になります。逆に98円まで下がれば2円の損失です。現在レートより上昇すればするほど利益は増します。
上昇トレンドなど、相場が上昇することを期待してのポジションになります。
売りは買いの逆となるので、「USD/JPYを売る」とは「JPYを買ってUSDを売る事」を意味します。
USD/JPYのレートが100円から98円に下がったとします。1ドルで100円を買っていたのでここでドルを買い戻すと98円で1ドル買える事になります。つまり差額の2円が手元に残ります。これが利益になるわけです。逆に102円で買い戻せば2円の損失です。
○○/△△の通貨を買う → △△を売って○○を買う→決済は売り
○○/△△の通貨を売る → ○○を売って△△を買う→決済は買い
考えると頭がごちゃごちゃしてきます。上の説明は理屈の説明です。
実際に売買する時は相場が上昇する事を狙って「買い」、相場が下降する事を狙って「売り」
これで十分です。
注文は成行、指値、逆指値を覚えよう!
FXの注文方法は成行・指値・逆指値の3種類が基本となります。
注文量(金額)はLot数で調整します。
ドル円100円→101円に上昇したとして、買いポジションを1つ(1通貨)持っていれば1円の利益。10持っていれば(10通貨)10円、10,000通貨持っていれば1万円の利益です!
Lotとはこの〇通貨を表している単位の事です。
Lotが何通貨に相当するかというのはFX会社によって違うので確認が必要ですが、海外FXでは1Lot=10万通貨であるパターンが多いですね。
因みにこの時に1,000通貨分のポジションを持ちたければ0.01Lotの注文を出すことになります。
すぐに売買したければ成行注文
MT4を例に説明します。
メニューバーの【ツール新規注文】もしくは気配値一覧を右クリックすると新規注文画面を開けます。(F9ボタンが一番早い)
数量でLot数を入力。
注文種別が成行になっているのを確認。後は買いもしくは売りの注文を出すだけの簡単注文です!
いちいち新規注文画面を開いてるのが面倒だという人は、すぐに成行注文できる窓(クイック注文)がチャートの左上にありますので、利用してみてください。
特定の価格で売買するなら指値・逆指値注文を使う
レートがこの値になったら売買したい…ここだと売り!ここだと買い!…と明確に取引開始をするレートがある人は指値、逆指値注文を出します。
例えば、「現在1ドル110円だけど買い時は109円だなぁ・・」って時には109円で自動的に買いが入るようにできます。
さきほどの新規注文画面から
注文種別を条件によって使い分けます。
指値・逆指値一覧
「Buy Limit」→ 指値買い → 「現在のレートより低いレートで買いたい」
「Sell Limit」→ 指値売り → 「現在のレートより高いレートで売りたい」
「Buy Stop」→ 逆指値買い → 「現在のレートより高いレートで買いたい」
「Sell Stop」→ 逆指値売り → 「現在のレートより低いレートで売りたい」
MT4では売買したレートを視覚的に確認できます。チャート上に緑の破線が引かれています。
これは自分が売買したレートを表しています。左端に注文番号とLot数も表示されており自分が持っているポジションを視覚的に確認できますね。
決済して損益を確定させよう!
ポジションを持ったままだとスワップポイントが発生する
FXで買い・売りのポジションを持つとロスカットされない限りはポジションを持ち続けます。
その状態で日をまたぐとスワップポイントが発生します。
スワップポイントとは、利息や利子のようなものです。通貨ペアは2国間で形成されますが、この両国間の政策金利差によってスワップポイントが決定されます。
1日またぎの金額は小さいですが、長く持つと含み益もしくは含み損が増える事になります。
すぐに決済したいなら成行決済
現在のレートですぐに決済したい場合に使います。
下の取引タブの注文番号をダブルクリックでオーダーの発注画面が表示されるので【成行決済】を押します。左に表示されているグラフはティックチャートといって細かいタイミングで決済する時に利用しましょう。
指値・逆指値を入れて決済
「1ドル122円になったら利益確定したい」
「1ドル118円ならこれ以上の損失は嫌なのでポジションを手仕舞いしたい」
など、特定のレートで決済したい場合は指値・逆指値を使います。
【決済指値】【決済逆指値】に価格を入れて指定することができます。また、【現在値との差】からポイントで指定しても良いですね。
設定すると現在のポジション画面にもしっかり反映されます。
また、指値・逆指値を指定するとチャート上にも表示されるようになります。
指値・逆指値をいれると常に相場をチェックせずとも自動的に決済してくれるので使い方に慣れておくと便利ですよ!
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