海外FXは国内FXと税区分が違います!
国内FXが申告分離課税なのに対して海外FXは総合課税の雑所得です。サラリーマンの方は給与所得と合算して税額が決定するので、総合課税だと税金が高くなります。
雑所得について
①損益通算不可
②損失繰越不可
③内部通算可
①損益通算はできません。損益通算とは異なる税区分同士で所得を合算することです。例えば国内FXと海外FXは税区分が違うため、国内FXで利益100万、海外FXで損失50万だからといって所得を50万とすることはできません。
②損失の繰越はできません。2019年に50万の損失→2020年に80万の利益だから2020年は30万の所得で申告とはできません。国内FXや株取引ならできます。
③内部通算とは同じ税区分同士の所得を合算することです。例えば仮想通貨取引の損益は海外FXと同じ雑所得です。暗号通貨で100万の利益、海外FXで50万の損失なら合算してトータル50万の利益として計上できます。
因みに海外FXの税率は以下の通り
課税所得 | 税率(%) | 控除額 |
195万以下 | 5 | なし |
195万円超え330万円以下 | 10 | 97,500円 |
330万円超え695万円以下 | 20 | 427,500円 |
695万円超え900万円以下 | 23 | 636,000円 |
900万円超え1,800万円以下 | 33 | 1,536,000円 |
1,800万円超え4,000万円以下 | 40 | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 45 | 4,796,000円 |
上表は所得税の税率です。これに加えて住民税が発生します。自治体によりますが、およそ10%前後の税率でしょうか。
はっきりしてるのは税金がめちゃくちゃ高いという事です。
節税などの税金対策はやれる事ならやっていた方がいいに越したことはありません!海外FXで使える税金対策を7つピックアップしてみました。
FXの経費を計上する
経費にできるものは経費にする。これは鉄則です。
★経費にできるもの一覧
- パソコン・スマホなどの機器代
- マウスやプリンタなどの周辺機器代
- セミナーの費用
- 書籍代
- インターネット通信費
- 情報商材の費用
- 有料EAやインジケータの代金
- コピトレなどの有料サービスの費用
- 飲食代
- 入出金手数料
- 取引手数料
他にもまだまだあるかと思います。いずれもFXに関連しているものというのが大前提の話です。
領収書は必ず発行してもらい保管しておきます。
2014年から白色申告でも帳簿の作成(単式簿記でよい)と保管が義務づけられています。領収書は7年、その他の書類は5年間保管しなければなりません。
ECN口座に変更する
海外FXでは、スタンダード口座とECN口座の2タイプある場合がほとんどです。
現在、スタンダード口座をお使いの方はECN口座に切り替えると節税と同時に取引面でも有利になります。実はFXのスプレッドは経費にできませんが、取引手数料は経費として計上できます。
ECN口座は取引手数料が発生する代わりに、スタンダード口座と比較して極端に小さいスプレッドで取引することができます。
取引回数の多いトレーダーほどコスト的にお得になります。
業者 | ECNコスト(円) | STPコスト(円) | 手数料(ドル/Lot) |
AXIORY | 700 | 1,400 | 3 |
XM | 1,500 | 1,600 | 5 |
FBS | 1,700 | 1,800 | 6 |
TitanFX | 880 | 1,330 | 3.5 |
1Lot=10万通貨としてドル円を1Lot取引した時のコストを比較してみました。いずれの業者もECN口座の方が有利であるのが分かります。
MT4/5で出力できる年間取引報告書の損益は、手数料が引かれた状態で表示されています。
よくある間違いは手数料を確定申告書に記載して二重申告になるパターンです。
別途手数料を計算・記載する必要はありませんが、節税効果とトレード環境を改善できるためECN口座への切替はやっておくことをオススメします。
青色申告の申請や法人化も考慮する
確定申告を白色ではなく青色とする事で経費にできる範囲が広がりますし、法人化するとさらに広がります。
中でも家事按分を経費として計上できるようになるのが大きいです!
家事按分とは生活費の一部を必要経費として認めてもらうことを言います。例えば、住居の一部をトレード専用部屋として使っていればその面積分の家賃は経費として計上できます。
照明率などから計算される電気代も計上できます。他にもガス代・水道代、移動費なども考えられますね!
白色では、経費だと断定的に言い切れない内容も青色や法人なら認められる可能性が高くなります!
法人化するのは手続きが煩雑のため敷居が高いですが、青色申告は申請するだけで簡単にできます!
配偶者にトレードしてもらう
冒頭の表で示したように税率がいきなり変わるポイントがあります。
例えば、
- 所得900万→税率23%
- 所得901万→税率33%
となっています。
ここで、自分がトレードで800万、配偶者が101万の利益をあげたとします。
- 自分→800×0.23=184万
- 配偶者→101×0.05=5万
- 合計→189万の税金
が発生します。
一人で901万円の利益をあげたら297万円の税金です。
つまり、配偶者にトレードしてもらった方が差し引き92万円も得をする事になります!
ただし、あくまで配偶者が配偶者の口座でかつ配偶者自身がトレードをする必要があります。当たり前ですが、奥さんの口座を使って旦那さんがトレードをしてはいけません。
トレードの方法を教えたり、取引を指示したりすることは何も問題ありません。
内部通算を利用する
内部通算とは、同じ税区分同士の所得を合算させることです。海外FXは雑所得ですので、他雑所得と損益を合算してやります。
例えばヤフオクやメルカリなどのフリマアプリで転売をしていたとします。FXで100万の利益があり、転売で20万円の損失があれば、忘れずにFXの所得と合算させましょう。
課税所得が100万 → 80万に減らせます。
ただし、雑所得同士でしか合算できない上に雑所得にカテゴライズされる所得は少ないのが現実です。本格的な節税を目指すならすべての所得が事業所得となる法人化がオススメです。
ふるさと納税を利用する
もっと削ることはできないだろうか・・・?
経費には限度がありますし、内部通算の項目も無限ではありません。できるだけの節税対策をやったら最後にふるさと納税を利用しましょう!
居住地以外の自治体に寄付をすることで返礼品としてその地域の特産物が貰える制度です。例えば10万円を自治体に寄付すれば自己負担2,000円で残りの98,000円は、所得税や住民税から控除されます。
納税から控除までの流れ
- ふるさと納税サイトにアクセス
- 自治体や商品から納税先を検索
- 納税
- 返礼品と寄付金受領証明書が送られてくる
- 確定申告時に証明書を添付
- 納めた税金が控除される
たったのこれだけです。
管理人は毎年必ずやっています。ウナギやウインナーの詰め合わせなどを頂きました。
税金のない海外へ移住
日本の税率の高さに嫌気がさす!って言えるぐらい稼いでいるトレーダーの方は海外へ
節税のために海外へ飛び出すトレーダーは実際にいます。
シンガポールでは、個人の範囲で取引した投資利益は非課税ですし、マルタでは所得税がありません。ドバイに至っては税金自体が存在しません。
地理的に近い所なら香港もキャピタルゲイン税は掛かりません。言語の問題、生活の問題、居住するための条件など国によって違います。
最も難易度が高いのと同時に最も効果的な税金対策です。